大規模修繕のプロポーザル方式とは?

プロポーザル方式とは?

タイトルにもありますが、まずはプロポーザル方式とは何なのかについて解説したいと思います。プロポーザル方式とは、業務を委託する上で最も適した提案者を選定する方式です。製品やサービス、事業などについて、提案内容以外の内容を含めたプロポーザル(提案書)の提出を求め、提案者を総合的に評価して選定する方式となります。

英語でpropose、いわゆる提案するという意味からその名前がつけられています。要するに、大規模修繕を行う上で、どの業者にするかを選ぶときに最も効率よく、その建物と金額面に沿った大規模修繕業者を見つけ出す方法ということになります。

目次

メリット

それでは、プロポーザル方式のメリットについて解説していきたいと思います。

プロポーザル方式のメリットとしては、主に以下が挙げられます。

1.選定までの時間・費用・労力の負担を軽減
2.発注者と提案者との共同作業
3.発注者の要望を反映

メリット1:選定までの時間・費用・労力の負担を軽減

プロポーザル方式は、提案内容のみを作成するのではなく、「具体的な実施方針」、「設計体制」、「実績の照会」、「提案に対する技術力」などに関する提案書類を作成することが中心です。コンペ方式と比較して、発注者側も提出者側も簡易に対応できることが大きなメリットになります。

メリット2:発注者と提案者との共同作業

プロポーザル方式は、提案者を選定し、その後具体的な業務が発注者との共同作業により進捗します。メリットとしては、発注者と提案者との密接なコラボレーションによる質の高い成果が可能な点です。

メリット3:発注者の要望を反映

プロポーザル方式は、発注者と提案者とのコラボレーションでプロジェクトを進捗させますので、発注者の意見や要望が反映しやすい点もメリットと言えるでしょう。

デメリット

なかなか完璧な選定方法というのは存在しないので、当然デメリットも存在します。では続いてデメリットについても解説していきたいと思います。

プロポーザル方式のデメリットとしては、主に以下が挙げられます。

1.大手や実績がもともとある会社の候補が多くなる
2.公平性を保つ難しさ

デメリット1:大手や実績がもともとある会社の候補が多くなる

提案内容が他社よりも大幅に優れていない限り、発注側と付き合いや信頼関係の深い企業が選ばれる可能性が高くなります。普段から取引を行っている企業の場合、発注者側の内情や仕事の進め方にも精通しており、提案内容や金額に関して柔軟な対応が望めます。

デメリット2:公平性を保つ難しさ

大規模修繕の業者を選定する際に、大規模修繕について詳しく、業者の判定基準をしっかりとした知識とともに持ち合わせているという方は少ないと思われます。そのため、どのような判断基準で業者を選べば良いのかとなったときに、客観的に判断することが少し難しいという点があります。

プロポーザル方式の種類

ここまでプロポーザル方式について内容を少し説明させていただきましたが、ここからプロポーザル方式の種類についてどのようなものがあるのかを見て行きましょう。

公募型プロポーザル

公募型プロポーザル方式は、地方自治体などが応募者の中から最も相応しい民間事業者を選定する方式の一つです。応募希望者は、地方公共団体が作成する仕様書(「事業目的」「事業実施場所」「応募期間」などの条件が記載)に基づき、期日までに提案書を提出します。

地方公共団体は、提出された提案書の中から規定された評価に基づき採点を行い、受注者を決定します。1994年(平成6年)より、一定金額以上の事案については「公募型プロポーザル方式」が採用されています。

環境配慮型プロポーザル

こちらの場合はどちらかといえば我々のような民間の大規模修繕には少し馴染みのない話かもしれませんが、環境配慮型プロポーザル方式は、国や独立行政法人などが建築工事や大規模な改修工事を行う場合、設計業務を発注する際に採用される方式です。

応募者に対して、温室効果ガスなどの排出削減に配慮する内容(自然エネルギーなどの積極的な利用を含む)を含む技術提案を求め、総合的に勘案して最も優れた提案者を特定します。

2007年(平成19年)11月に、「国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律」(環境配慮契約法)が施行されました。

また、2007年(平成19年)12月に、環境配慮契約法第5条第1項に基づき、「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針」(基本方針)が定められました。その基本方針に基づき、「環境配慮型プロポーザル方式」の採用が挙げられています。

コンペや入札との違いは

では続いてコンペや入札といった少し似ているように思われがちで、異なる内容の方法についても触れたいと思います。

まず、プロポーザル方式とコンペの違いですが、プロポーザルとコンペは非常によく似ていますが、選ぶ対象が異なります。プロポーザルは「提案者」を、コンペは「提案」を選ぶという違いがあります。

プロポーザルでは提案内容に加えて事業実施方針、実施体制、実績、地域貢献度などを判断し、「提案者」=「会社」を選びます。

一方、コンペでは製品や構造物、建築物など「提案そのもの」を選ぶのです。

では次に、プロポーザル方式と入札の違いを見てみましょう。

端的に説明すると、プロポーザルは「提案」で、入札は「価格」で選ぶというのが大きな違いです。入札は「価格」で選びます。入札は主に、自治体からの工事の発注や物品の購入で利用されます。工事や物品はある程度やり方や規格が統一されているので、自治体にとっては「価格」が最も重要になるわけです。

つまり最低限の信頼性や品質を担保したうえで、入札により最も安い発注先を選ぶのです。

一般の取引でいうと「相見積もり」や「見積もり合わせ」などが近いのではないでしょうか。

自治体ビジネスで入札が選択されるのは、費用面のメリットと公平性が保たれるためです。

スタートラインが同じで価格のみで評価するのなら、誰が見ても公平なのは明らかですよね。

民間ならば公平性はそこまで必要なく、受注者の一存で決めることも中にはあるかと思われます。

まとめ

今回は大規模修繕における業者の選定方法として、プロポーザル方式についてお話しさせていただきました。大規模修繕は建物の資産価値を高めるとても重要な工事になります。そのためどの会社に大規模修繕工事を行なってもらうかというのはとても慎重になる必要性があります。記事を読んでくださった方の中で少しでも大規模修繕の業者を選ぶ際の知識になれば幸いです。良い大規模修繕を行えるように、しっかりとした計画を立てて行きましょう。

なお、株式会社繕では、些細なことから、大規模修繕に関するご相談まで無料で受け付けておりますので、下記のボタンリンクよりお気軽にお申し付けくださいませ。

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