大規模修繕でのトラブルを防ぐには?原因と対処法

握手

スマートな修繕を

マンションの大規模修繕は、様々な関係者の協力があって成り立ちます。管理組合員や修繕委員が中心となって、施工会社、管理会社、修繕コンサルタントから、居住者、近隣住民と都度でコミュニケーションを取って進めていきます。

関係者との行き違いが発生した時に修繕計画を進行する上でトラブルに発展することもあります。今回は大規模修繕において契約先や住民との間で起こりうるトラブルと、未然に防ぐ対処法について解説していきます。この記事を読んで、良好な関係を元にスマートな修繕を目指しましょう。

目次

どのようなトラブルがある?

マンションの大規模修繕には、管理組合や修繕委員会に加えて、居住者や施工会社、コンサルタントなど大勢の人が関わり、また費用も莫大になるのでトラブルはつきものです。ここでは大規模修繕における主なトラブルとその解決方法についてご紹介していきます。

修繕積立金に関するトラブル

費用の計算

大規模修繕でよくあるトラブルの1つが、修繕積立金の不足です。多額の費用を要する大規模修繕では、通常、管理組合による「長期修繕計画」のもと、マンション居住者から毎月決まった金額の修繕積立金を徴収します。しかし、新築時のマンションは必要な修繕費の予測が立てづらく、修繕積立金を安く設定してしまうケースがあります。また、長期修繕計画の不備によって、工事に必要な修繕積立金が集まらない場合もあります。

修繕積立金が不足したときの対策としては、不足分を居住者から「一時金」として追加徴収するほか、工事内容の見直しや、住宅金融支援機構の融資を受けるといった方法があります。追加徴収や工事内容の見直しに関しては、住民説明会を開き、居住者が納得したうえで行わなければなりません。このようなトラブルを回避するためにも、長期修正計画は定期的に見直し、適切な集金計画を立てる必要があります。

対処法

マンション大規模修繕では修繕積立金が不足して工事が難しくなることがあります。一般的に居住者による修繕積立金の滞納や長期修繕計画の甘さが原因です。不足してしまった場合は、以下の方法で費用を補う必要があります。

大規模修繕工事を行う際に不足してしまう額を居住者(戸数)で割り、一時金として追加徴収をする方法です。一時金の徴収は金利がかからず、資金も手早く集められるというメリットがあります。しかし、実際には家計の負担が重く、工事直前になっても資金が集まらないというケースがほとんどです。不足金が少額であれば、住民に事情を説明して徴収するのは可能でしょう。金額が大きければ、全住民から徴収するのは困難になります。直前で資金が集まらない場合は、工事内容の変更や施工会社の支払いが遅延する原因にもなるので極力避けたほうが良いでしょう。

次は居住者の毎月の修繕積立金の額を値上げする方法です。メリットは、一時金と異なり、住民に一度にかかる負担が少ないことです。しかし、毎月の負担額が上がるため、住民からは必ず反対意見が出るでしょう。値上げをする際は、工事に必要な資金のデータを用意して、住民に時間をかけて説明を行う必要があります。修繕費用の目途がついていて、工事が始まる期日までに余裕がある場合は検討するとよいでしょう。

最後に不足分を金融機関から借り入れて補填する方法です。金融機関を利用すれば、工事前に資金が集まらないというリスクを減らせます。ただし、毎月の修繕積立金は返済に回っていくので、なかなか積立金を増やせなくなるでしょう。利息もかかり、支払い金額が増えてしまうというデメリットもあります。資金を手早く集められ、住民からのクレームも防ぐことができるので、一番現実的な手段といえるでしょう。

居住者とのトラブル

居住者の方々

マンションの大規模修繕には、居住者とのトラブルはつきものです。

工事中は住民から騒音やにおい、プライバシー侵害などのクレームが起こりやすくなります。

大規模修繕には居住者の理解と協力が前提にあることを理解して、配慮を怠らないようにしましょう。

以下で起こるトラブルを想定し、事前の対策をチェックしておきましょう。

対処法

まずは騒音やにおい、ホコリなどでクレームに関してです。工事中は足場工事の際に騒音や塗料のにおいが発生し、ホコリで洗濯物が干せないこともあるでしょう。工事期間は平均すると半年~1年以上です。劣化状況や追加工事により期間がさらに延びれば、住民のストレスも増えてしまいます。住民にかかる負担を減らすためには、事前に大規模修繕について説明会を開き丁寧な説明を行いましょう。工事開始前には、どんな工事をいつするのか、生活面でどんな不便が生じるかなど詳しく説明することが大切です。加えて、施工会社にも予定した工事日程を厳守するように伝えておきましょう。

大規模修繕を行っていると、窓の外から作業員に室内を見られるのではと不安に思われる方も多いです。実際、カーテンを閉めていて開けたら作業員がいたというトラブルはよく起こります。プライバシーの侵害によるトラブルをさけるためにも、工事期間や時間帯の通知を徹底しましょう。そして、施工中はカーテンを閉めたり、外出したりして住民に対策してもらうことが重要です。作業員に対してもプライバシー侵害の対策についてはきちんと教育しておく必要があります。外壁の補修や塗装などの際には室内に目を向けない、室内に入る際はノックしたり中を見渡したりしないように徹底してもらいましょう。

施工会社とのトラブル

施工会社とのトラブルで多いのは、工事期間の大幅遅延や施工品質の問題、工事完了後の施工不良などです。なかには追加工事費用を請求され、修繕計画の予算をオーバーしてしまったというケースもあります。施工会社を選定する際は、複数社に見積もりを依頼し、施工実績や経営状態をしっかりと確認する必要があります。

対処法

施工ミスや工期の大幅な遅延技術力が低い、または悪質な業者による施工によって工事の失敗や工期の大幅な遅延が起こることがあります。施工業者の技術力が低ければ、図面の見間違いや指示間違いが起こりやすくなります。特に現場監督が不在の場合は、すぐに不明点を確認できないため、施工ミスにつながりやすいです。トラブルを減らすためには、慎重に業者を選び、管理会社やコンサルタントに任せっぱなしにしないようにしましょう。なかでも悪質な業者は故意に工期を遅らせて、発生する人件費を余分に搾取するケースもあるので注意しましょう。施工費用の追加請求大規模修繕工事の途中や完了時に、施工費用の追加請求をされる場合があります。一般的には、工事前に専門家がマンションの劣化状態を目視でチェックします。ただし、配管の内部や給水ポンプなどの故障はわからないことが多いです。

着工後細部のチェックを行った際に修繕箇所が見つかる場合もあるので、追加請求を含めた余裕のある資金を用意しておきましょう。追加請求をされた際は、不要な工事を勝手に施工された可能性もあるため注意が必要です。契約前の見積もりにあった工事内容かをチェックして、不要な施工の場合は支払わないようにしましょう。施工業者の倒産大規模修繕工事の施工中に業者が倒産してしまい、工事が継続できなくなることがあります。工事が継続できない場合は新たな業者を探さなければならず、費用がさらにかかってしまうでしょう。工期も伸びてしまい、マンション住民に不安を与えてしまうことになります。トラブルを防ぐためには、優良業者を見つけることが重要です。依頼する業者の会社規模や経営状況は必ず事前に確認しておきましょう。

まとめ

今回は大規模修繕でよくあるトラブルと、その対処法について解説してきました。大規模修繕は多くの業者や住民が関わる大掛かりなプロジェクトです。長期間の修繕計画の中でそれらの人々とトラブル無く進めていくためには綿密なコミュニケーションが必要になります。お互い良好な関係を築きながらスムーズな修繕計画を実行しましょう。

なお、株式会社繕では、ちょっとした大規模修繕に関するご相談から無料で受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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