コンサルタントの選び方について
今回はマンションの大規模修繕を行うにあたって、コンサルタントの選び方について解説していきたいと思います。大規模修繕におけるコンサルタントは、施工業者とは異なります。主に建物診断や、工事の監督や管理などといった役割を担う業者のことを指します。
大規模修繕のコンサルタントに関する基本的な内容につきましては、こちらの記事にて詳しく解説させて頂いておりますので、気になる方は是非ご参考ください。
よくある相談・トラブル
まずは、大規模修繕のコンサルタントに関して、よくある相談やトラブルの例をご紹介していきます。これらは、実際に施工を行った上で発生しているものなので、今から大規模修繕のコンサルタント選びを考えている方は、参考になるかと思います。
工事費用が高い
こちらのご相談やトラブルは、最も多い問題です。大規模修繕の工事費用は、マンションや建物の様々な部分の改修を一度に行うため、多額になるのは必然だと言えます。しかしながら、一つ一つの工事に対しての適正な価格や内容をあまり知らないままコンサルタント業者に依頼してしまうとこの問題が生じてしまいます。まずは、大規模修繕に関する費用面の知識を調べておく必要があります。その上で、金額の相談や見直しを行わないと、コンサルタント業者が提示した金額を承諾するしかなくなってしまいます。
こちらの記事では、大規模修繕における費用について詳しく解説しておりますので、ご参考ください。
不要な工事内容
コンサルタント業者の主な利益は、主にマージンです。当然のことですが、工事内容が増えると、それに付随して様々な工事にマージンをつけることができるので、コンサルタント業者は不要な工事内容を追加している場合があります。大規模修繕における各工事については、改修を行うべき周期と状態が一般的に存在しています。しかしながら、これらを把握していないと、余計な工事が盛り込まれている可能性があります。これについても、しっかりと大規模修繕の工事内容についての知識をもっておく必要があります。
大規模修繕における工事内容と、各工事について改修を行うべきタイミングや状態についてこちらの記事にて詳しく解説しておりますので、大規模修繕の基本的な知識としてご参考ください。
施工の質が悪い
もしも、悪質なコンサルタント業者を選んでしまった場合は、とても許しがたいことではありますが、施工の質が悪いというトラブルも発生します。これは、大規模修繕工事を監理する立場であるコンサルタント業者が自らの利益を拡大するために、諸費用を削ったり、監理を怠ったりすることで発生してしまいます。この場合は、保証期間や瑕疵保険などを利用して施工後に追及することは可能ですが、なるべく施工前にこういったトラブルをなくすために、コンサルタント業者の実績や評判をリサーチしておきましょう。
先ほど述べた施工後の保証期間や瑕疵保険についてはこちらの記事にて詳しく解説しておりますので、トラブル対処の予備知識としてご参考ください。
選び方のポイント
コンサルタント業者との間で生じる悩みやトラブルについてご紹介したところで、本題である「コンサルタント業者の選び方」について解説していきたいと思います。
①実績がある
まずは、コンサルタント業者の実績に注目しましょう。これは、費用や工事内容以前にこれまでに大規模修繕を行なっている確かな実績がないと、大規模修繕工事自体が成功するという保証が得られないためです。前もってコンサルタント業者の名前をインターネット等でリサーチしておきましょう。
②施工に関する知識
大規模修繕のコンサルタントにおいて、知識というと少し曖昧な表現になってしまうかもしれません。これについては、コンサルタント業者の資格保持者の在籍を調べてみましょう。特に一級建築士とマンション管理士がいると専門的な知識をしっかりともっていると言えるので安心です。
③コンサルタント費用が明確
コンサルタント自体は目に見える結果などが依頼者にとって明確ではないため、費用の詳細を把握するのも実際は難しいものです。そのため、コンサルタント費用と称して過剰な金額が嵩増しされている可能性もあります。なので、コンサルタントの費用がどこにどのくらいかかっているのかを明確に提示してくれているかどうかは、適切なコンサルタントの選び方として重要なポイントとなります。
④リベートやバックマージンの有無
あまり聞き馴染みのない単語かと思われますが、「リベート」や「バックマージン」はしっかりと理解しておく必要があります。リベートとは、支払い金額の一部を支払い者に対して返金したり、売り上げを割り戻したりするといった行為のことを指します。大規模修繕というシーンの場合は、施工業者に依頼したコンサルタント業者が支払額から割り戻しを受けるということになります。また、バックマージンとは、ほとんどリベートと類似した意味ですが、利益の一部を依頼したコンサルタント業者に受け渡すといったものです。
施工業者が利益をあげるためには、根本の大規模修繕を依頼する我々からお金を取る必要があるので、リベートやバックマージンが存在してしまうと、自ずと大規模修繕の費用が高額になってしまうという仕組みです。
ですが実は、コンサルタント業者の中にはこれらを受け取らないと宣言しているところも存在します。
⑤説明がわかりやすく丁寧
当たり前かと思われるかもしれませんが、こちらは適切なコンサルタント業者を選ぶ際にとても重要なポイントになります。何故なら、悪質なコンサルタント業者の場合、専門的なワードや言い回しを使って、依頼者を丸め込もうとするケースがあるからです。依頼者側がしっかりとした知識を持っている場合は、問題ないかもしれませんが、それでも丁寧でわかりやすい説明をしてもらう方が、費用や工事内容も明確に伝わるのでトラブルになりにくいので、判断材料として頭に入れておきましょう。
⑥施工後の対応
適切なコンサルタント業者であれば、工事後のアフターケアも充実しています。先ほど紹介したように保証期間や瑕疵保険等の施工後の相談にもしっかり対応し、その後も関係を築いていけるでしょう。悪質なコンサルタント業者の場合は、その場の利益をベースに進めるので施工が終われば、その後の対応がないことがほとんどです。大規模修繕は、一回ではなくその後も続いていくマンションの資産価値を高めるためのものですので、こちらの項目もしっかり確認しておきたいポイントになります。
まとめ
今回は適切なコンサルタント業者の選び方についてご説明させていただきました。大規模修繕を成功させるためには、「責任施工方式」のように全てを一括で行なってもらう方法もありますが、第三者の立場を取り入れコンサルタントを入れることでより良い大規模修繕を行うこともできます。なにもリサーチを行わずにコンサルタント業者を選び、そのまま任せてしまうと金額面でも品質面でもトラブルが発生してしまう可能性があります。なので、まずは自身がしっかりとした知識をつけた上で慎重にコンサルタント業者を選ぶようにしましょう。
なお、株式会社繕では、ちょっとした大規模修繕に関するご相談から無料で受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。