大規模修繕
大規模修繕
 
大規模修繕
 
大規模修繕

大規模修繕の流れとかかる期間について解説!

どれくらいかかるの?

マンションの大規模修繕工事は、結論から述べると計画段階から着工して工事が完了するまでに約2〜3年かかります。特に着工までの計画段階がかなりの期間を要し、マンションの規模によっては工事期間も大幅に異なります。

初めて修繕工事を行う方は、どのくらいの期間を目安に進めていけばいいのかわからない方が多いでしょう。修繕計画をスムーズに進めていくためにも、必要な工程と期間はあらかじめ把握しておきましょう。

今回は、大規模修繕がどのようなスケジュールで行われていくのかについて、着工前の計画の進め方やそれぞれの工事の工程にかかる時間の解説を交えてご紹介していきます。

着工までにかかる期間と工程

工程表

大規模修繕は、実際の工事の期間よりも着工までの工程にかなりの期間を要します。工事計画から工事を開始するまでの工程にかかる期間はおおよそ1〜2年ほどです。

ここでは着工までの流れを7つのステップに分けて解説します。

1. 修繕委員会の設置

まず始めに、通常の理事会の業務とは別に大規模修繕の計画に関する業務を専門的に行う下部組織「修繕委員会」を設置します。工事内容や予算の審議、調査立ち会い、説明会や打ち合わせの実施など工事全体に関わる業務を行います。

また、修繕委員会に設置義務はないため、通常の理事会の業務の負担を考慮しながら理事会で修繕工事を進めていく場合もあります。

2.発注形式の決定

大規模修繕を進めていくにあたって、専門知識や経験を持つ専門家との契約が必須となります。主な発注形式は二通りで、施工会社に事前準備から施工までの全段階を委託する「責任施工方式」と、工事計画の管理とアドバイスをコンサルタントに依頼する「設計管理方式」があります。修繕委員会を設置した段階で、発注形式をどちらにするか決定しておきましょう。

コンサルタントが第三者目線で資金計画や工事の監視などを行う設計管理方式が現在の主流となっていますが、依頼費が別で発生するなどのデメリットもあるので、慎重に審議することをおすすめします。

3.建物診断の実施

見積もりや修繕計画を立てる前に、建物の現状を正確に調査する必要があります。調査員が建物を訪問し、専門機械を用いたり目視で調査します。

調査の目的としては、建物の劣化状況を調査して修繕工事が早急に必要な部分とそうでない部分を把握することが主です。建物調査で注意しなければいけないこととしては、修繕工事の実施ありきで調査を行わないことです。

4. 修繕計画と予算の審議

建物の現状を把握したら、工事内容を決定して予算を審議しましょう。修繕が早急に必要と判断された箇所と、劣化の見られなかった箇所を正確に把握して、それぞれの項目の施工内容と予算の割合を審議しましょう。

修繕積立金が予算に対して不足している場合は、融資を受けたり施工内容を再考したりと調整の必要があります。

5.施工会社の選定

修繕計画や予算が固まったら、施工会社を選定しましょう。施工会社は、専門紙やメディア、掲示板などを利用したり、設計管理方式を採用している場合はコンサルタントと相談しながら募集します。具体的な選定方法としてはまず2〜3社に見積もりを依頼し、各社から工事内容、会社の特色や施工が完了した後のアフターサービスまで諸々含めた詳細をプレゼンテーション形式でヒヤリングした後比較検討を行い、選定します。

施工完了後の点検まで長期にわたる付き合いなので、施工業者を選ぶときは見積もりの額だけでなく大規模修繕工事の実績や現場の作業員の経験と質、信頼度やコミュニケーションのしやすさ等様々な視点から、その業者が信頼できるかどうか考えましょう。

6.総会にて合意を得て業者と契約

施工業者や工事内容、予算を決定したら組合員を集めて総会を開催します。総会では選定した業者の信頼度や選定理由、実施する工事内容とそれぞれの工事の占める予算について詳しく組合員に説明して合意してもらいます。合意が取れたら、施工業者と正式に契約することができます。

大規模修繕の費用は入居者が支払う修繕積立金によって賄われるため、しっかりと組合員の合意を得ることが必要です。

7.工事説明会の実施

業者と契約したら、入居者に対して施工業者から工事の内容や工事期間中の注意事項を説明してもらう「工事説明会」を実施します。着工の約一ヶ月前に組合員、住民を集めて行います。
配管、ガス関係やエレベーター等生活に直結する部分の修繕を行う期間は、ライフラインが一時的に使えなかったりと、大規模修繕には入居者のご協力は必須となります。そのため、工事説明会では入居者からも意見を聞いて、工事がなるべく生活に支障をきたさないように対応策を練りましょう。

工事自体にかかる期間は?

規模別工期

着工までの流れや期間について大まかに把握してもらいましたが、ここからは実際に施工自体にかかる期間はどのくらいなのかを解説していきます。大規模修繕の工事は建物の規模によって大きく異なります。建物の総戸数を指標にした規模別の工事期間は以下のようになります。

小規模マンションの場合

一般的に小規模マンションと言うと総戸数50戸未満のマンションのことを指します。小規模マンションの工事期間はおよそ3〜4ヶ月です。小規模だと階数も少なく外壁塗装にかかる期間が少なめで、共用部分もそこまで広くない場合が多いので、工事期間はかなり短くてすみます。しかし、小規模であるが故に入居者同士の物理的、心理的距離感が近いことが多く、修繕工事について詳細に説明することを怠るとトラブルが発生してしまう恐れがあります。小規模マンションにおいても準備期間はしっかりと取って、入居者や施工業者とコミュニケーションを取ることを徹底しましょう。

中規模マンションの場合

中規模マンションと言うと、一般的に総戸数50〜100戸のマンションのことを指します。中規模マンションの工事期間はおよそ4〜6ヶ月です。中規模マンションになると共用部分や外壁の面積が広くなってきます。工事の規模自体が大きくなるため費用も高くなります。事前段階で費用面、工事内容について綿密に審議するようにしましょう。

大規模マンションの場合

大規模マンション(総戸数100戸以上)にもなると工事期間は半年〜1年はかかります。敷地内に建物とは別の共用部分があったり、超高層マンションであったりする場合は、施工内容によりますが一年以上かかることもあります。入居者数も多く必然的に組合員の人数も多くなり決議に時間がかかるのに加えて、特別な検討事項も増えるので、準備期間も含めてスケジュールに十分な余裕を持って進めていきましょう。

施工内容別にかかる期間は?

工事内容別工期

大規模修繕は、工事内容それぞれにかかる期間に目安があります。予定している施工内容と照らし合わせてみれば、工事完了までにどれくらいの期間を要するかが分かります。まだ施工内容を決議していない場合でも、どんな施工を依頼するか決める時の参考にしてみてください。

また、ここで解説する工事内容は大規模修繕で代表的なもののみを取り上げています。エレベーターを設置したり内装を変更したりする場合は、建物の規模や工事内容の詳細がわからないと工事期間も把握できないので、よく施工業者に話を聞くようにしましょう。

仮設工事・足場設置にかかる期間

外壁工事や防水工事を始める前に、作業員詰め所や資材置き場等工事に必要となる施設を設置する仮設工事と、建物の周囲に足場設置を行う必要があります。これらにかかる期間は、小規模マンションだと10〜15日、中規模、大規模マンションだと20〜30日になります。

また注意点として、足場の高さが10m以上で組立から解体まで60日以上かかる場合は、労働基準監督署に「足場設置届」を提出しなければなりません。提出期限は足場組立開始日の30日前です。提出がない場合は罰金刑が課せられます。施工業者からも説明を受けますが、忘れずに期限までに提出しましょう。

下地補修・シーリング工事・鉄部塗装にかかる期間

足場を設置した後は、下地補修、鉄部塗装、シーリング工事を行いますが、それらの工事にかかる期間はおよそ15〜30日です。3つの作業は主に外壁の劣化や汚れ等を補修して建物の寿命を伸ばすための内容となっています。

下地補修工事は、外壁の欠損や剥がれ、コンクリート内部の鉄筋のサビ等がある部分を新しいものに取り替える作業です。シーリング工事では、外壁ボード間のつなぎ目や外壁とサッシの隙間などに充填されているゴム状のシーリング材を新しくして、建物の防水性を維持します。最後に、鉄製の構造部分のサビを取り除いてサビ防止剤を塗布する鉄部塗装を行います。
これらの工事は、建物の寿命を伸ばすことだけでなく、安全性を保つことにも繋がります。劣化した外壁が剥がれおちて事故に繋がるのを防ぐためにも、大規模修繕を行うタイミングでは必ず行うことをおすすめします。

防水工事・外壁塗装工事にかかる期間

外壁の劣化や汚れを補修した後は防水工事、外壁塗装を行います。屋上やベランダ、屋外の階段等の防水機能を保つことで雨漏りを防ぐのが防水工事で、外壁に塗料を塗り直してマンションの資産価値や外観を保つのが外壁塗装です。施工箇所数、面積ともにマンションの規模に大きく依存するため、これらの作業に要する期間は一概には言えませんが、おおよそ1〜3ヶ月かかる大掛かりな作業になります。

工事期間が伸びる場合

困る男女イメージ

大規模修繕に限らず長期間にわたって行われる工事には、スケジュールの変更はつきものです。施工会社と直接やりとりする施工委員会などは、工事延長や延期の理由について詳しく把握できますが、入居者に関しては工事が長引くことに関してかなりストレスに感じてしまいます。入居者との間でトラブルが発生するのを防ぐためにも、工事期間の延長はできるだけ避けたいところです。ここでは、工事延長の主な原因となる2つの事項をご紹介するので、大規模修繕を行う際は以下に気をつけて進めていきましょう。

工事内容の変更・追加

大規模修繕において、修繕計画を立てるタイミングではわからなかった主要部分の破損や劣化が、足場を組んで実際に施工を開始してから発覚して、追加の工事について施工業者から提案されることがあります。その際は、劣化の状況や資金を考慮して必要だと判断した場合は工事を追加することをおすすめします。

しかし、管理組合側から設備のグレードアップや工事の内容の追加を工事期間中に要望する場合は、慎重に検討しましょう。追加工事によって大幅に工期が延長することになれば、資金もそれだけ必要になりますし、入居者の不満も増大してしまいます。安全性に関わる作業以外は、工事の期間中に追加することはあまりおすすめしません。もし行う場合は、必ず入居者と組合員の合意を得た上で行いましょう。

天候による工事延期

外壁塗装や防水工事などは、行う場所が屋外や屋上であるため、天候によって延期しなければならない場合があります。天候によるスケジュールの変更自体は防ぐことはできませんが、工事の進捗状況を常に把握しておくことが重要です。定期的に施工業者から進捗状況の報告を受け、工事予定の変更等がある場合は業者と打ち合わせを行ったあと、入居者に必ず周知するようにしましょう。

関連記事一覧

カテゴリー一覧
お問い合わせ