大規模修繕での融資はどうする?費用調達について解説!

大規模修繕の融資

今回は大規模修繕を行う際の融資についてお話ししていきたいと思います。大規模修繕工事は、建物の資産価値を高めていく上で欠かせない工事になりますが、規模が大きいために当然かかる費用も大きくなってしまいます。その時に修繕費用の調達として、融資を行うケースも存在します。

これまでの大規模修繕に関する費用の話では、修繕積立金という次に行う大規模修繕に向けて資金をためていくという方法や、補助金や助成金なども説明してきましたが、それでも試算していた金額よりも多額になってしまうことは、建物の状態や時勢によって異なる場合があります。そんな時に必要な資金を調達する手段として大規模修繕工事の融資についてご説明していきたいと思います。

なお、大規模修繕の費用に関する基本的な内容は以下の記事にて説明しておりますので、気になる方は下のボタンリンクをご参考ください。

目次

融資って何?

まずは、そもそも融資とは何かについて説明したいと思います。

結論から申し上げますと、融資とは金融機関からお金を借り入れることを指します。

簡単に言ってしまえば借金です。しかしながら、一般的な借金とは異なります。融資の場合は、単なる消費のために借りるのではなく、行なっている事業等を継続させるためにお金を借りるという違いがあります。

金融機関から事業のために借入を行う融資も、もちろん返済の義務はあります。加えて、利息が発生するので借りた金額より多くの金額を返済することになります。

しかしながら、融資は先ほども説明したように事業のために借り入れるものなので、一般的な消費者金融のような借入よりも多額の借入をすることが可能です。

融資の種類

では実際に融資の中身についてお話しする前に、前提として融資の種類についても触れておきたいと思います。

大きく分けて2種類の融資があります。

「公的融資」と「民間融資」です。それでは、この2つについてくわしく説明していきたいと思います。

公的融資

公的融資の主体は、国や自治体です。公的融資の特徴は、低金利で借りられることが多いという点です。公的融資は、新しく事業を始めるなどの事業融資と、生活や教育などの融資を受けられる事業以外の融資があります。

しかしながら公的融資の場合は、低金利で借りられるというメリットがありますが、厳重な審査が行われるため手続きがめんどくさいという点があります。

この公的融資は、日本政策金融公庫という会社が主な借入相手になります。この日本政策金融公庫は財務省の所管の会社です。

まずは、電話の相談などの相談をしたのちに、企画書を作成して審査を受けることになります。

大規模修繕の融資となると、事業として融資してもらえるのかという点がありますが、ワンオーナー様のマンションや賃貸なども、れっきとした事業になるので、修繕費用等の見積もりがついたら公的融資を受けることの計画も練っていくようにしましょう。

民間融資

民間融資は、文字通り公的融資とは異なり、民間の機関が融資を行うものです。民間融資を行うのは、金融機関です。例えば、普通銀行(預金を取り扱う銀行)や信託銀行、信用金庫などの中小企業金融専門機関などが存在します。

以上のような機関からの借入となると、国からの融資よりも敷居が低く借りやすいのではないかと考えるかと思います。公的融資の場合は、手続きが少し面倒だということを説明しましたが、こちらの場合は手続きにそれほどの手間はありませんが、審査の通貨が難しいことや、原則的に担保や保証人が必要であるという縛りがあります。なぜならば、公的融資とは違い、民間融資を行う期間は営利を目的としているからです。そのため、借りる際の条件なども厳しい場合があるということです。

しかしながら民間融資を受ける場合は、着金までの期間が公的融資に比べて短いため、調達のスピードは早いというメリットも存在します。

融資のメリット

それでは、融資のメリットとデメリットについてお話ししていきたいと思います。

まずはメリットですが、融資の大きなポイントは「多額の借入を行うことができる」という点です。これは、会社などを立ち上げたりする際もそうですが、多額の資金を自分で用意するのは難しい場合に、融資を行なって、借り入れた分を経営しながら利益を上げて返していくというのが一般的なスタイルになります。その多額の借入を行えるのが融資の最も大きなメリットと言えるでしょう。

次に、経営などに干渉されないという点があります。同じ資金の集まり方でも、株式とは違うので経営権が脅かされる心配はありません。そのため、自分の経営権は絶対的なものとしつつ資金調達をすることができるというのも融資のメリットの一つです。そのため、配当金を払わなければいけないということもありません。

その他、公的融資か民間融資にかかわらず、他の手段と比べると資金調達までのスピードが早いというのもメリットになります。

融資のデメリット

資金調達として優秀な融資ですが、メリットばかりではありません。もちろんデメリットも存在します。

まずは、あくまでもお金を借りているので返済の義務があります。この借りたお金は単純に返せばいいというわけではありません。先ほども説明したように利息が発生します。利息は主に借り入れた額に対して適応されるものなので、多額の借入が可能な融資の場合は、利息分だけでも決して少額ではありません。また、返済が滞ったり遅れたりすると、遅延損害金等が発生してしまうほか、一個人の信用情報の損失にもつながってしまいます。また、経営者自身の信用情報に問題がある場合は融資を受けることはできません。そのため、審査のための資料以前に一個人の信用情報があらかじめ必要になります。

また、消費者金融やローンのような借り方とは異なり、審査の際などに提示する明確な目的以外での使用は認められていません。なので、多額の借入をすることができたからといってそれは自由に使えるお金ではないということもデメリットとして挙げられるポイントではないでしょうか。

商品の種類

融資についての基本的な内容を説明したところで、次は実際の融資の商品の種類について説明していきたいと思います。

まず融資には大きく分けて4つの種類があります。

それは、1.手形貸付、2.手形割引、3.証書貸付、4.当座貸越というものです。以下では具体的に各種について解説していきます。

・手形貸付

手形という馴染みのない単語に疑問を持った方もいられると思います。手形貸付について説明する前に、手形のお話をしたいと思います。

手形とは、ある金額をいつまでに支払うという約束を書いた証書のことを指します。現金の代わりに用いるために存在します。

そしてこの手形貸付とは、約束手形という有価証券を渡すことで借入を行う方法です。この手形貸付の場合は、一時的に資金をやりくりする時などに使われ、およそ1年以内に返済する形の短期の融資になります。

長期的な融資を受けることはできないので、あまり大規模修繕費用の融資としては使いづらいですが、すぐに返済の目処が立つ場合などは、信用情報にもよりますが、比較的審査も早いので、短期での借入を考えている方にはおすすめの融資になります。

・手形割引

手形割引は、上記で説明した手形貸付と少し似ていますが、こちらは少々複雑な融資の種類になります。

手形割引の場合は、約束手形を銀行や手形割引の業者に買い取ってもらうことで現金に変えるというやり方です。手数料がかかるので、受け取れる額からは少し減ってしまいますが、手形貸付よりもすぐに融資を受けられるという点では優れています。

なので、「少し損をしても、今すぐに資金が必要だ」という状況の方にはうってつけの融資になるでしょう。

・証書貸付

証書貸付とは、貸付先と金融機関が契約書を交わして、契約書で合意した融資を受ける貸付のことです。金融機関から融資を受けるときの一般的な方法で、両者の合意で融資額や返済方法などを決定できるため、融資内容に柔軟性をもたらすことが可能です。

・当座貸越

当座貸越とは、総合口座の普通預金の残高が不足した場合に、定期預金や国債などの契約を担保として自動的に融資を行う機能です。当座貸越を利用すると、普通預金の残高がマイナス表示になり、普通預金に入金することで返済となります。

資金調達は計画的に

冒頭でも説明したように、建物の大規模修繕は多額の費用を要する工事です。そのため、修繕の費用は計画的に管理していく必要があります。もちろん、工事に当たって資金調達を行うのは当然ですが、事前に次の大規模修繕に備えておくことが肝心です。

修繕計画を立てて、修繕積立金をしっかりと考えて準備しておくことが大切です。これらの内容に関しては、過去の記事にて詳しく説明しておりますので、気になる方は下記のボタンリンクよりお読みください。

まとめ

今回はここまで大規模修繕における融資についてご説明させていただきました。

大規模修繕工事のお悩みで最も多いのは費用に関することです。その中でも、資金をどのように工面するのかという点は、ケースによりそれぞれですが、事前にこのような知識をつけておくことで、スムーズに大規模修繕を行うことが可能です。

この記事を読んで、融資に関する知識をしっかりと持った状態で修繕工事を考えるようにしましょう。なお、株式会社繕では、些細なことから、大規模修繕に関するご相談まで無料で受け付けておりますので、下記のボタンリンクよりお気軽にお申し付けくださいませ。

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