マンションの大規模修繕はいつの時期に行えばいい?おすすめの季節

適した季節

マンションの大規模修繕は長くて1シーズンに渡る長期施工を伴います。12年に一度と言われる大規模工事なので、一年のうちどの季節に行うかもとても重要になってきます。台風や積雪が天敵であることはもちろんのこと、湿度や温度までもが施工のし易さ・しにくさに大きく関わってくるのです。

今回は、そんなマンション管理の根幹を担うとも言える大規模修繕に適した季節について解説していきます。

目次

それぞれの季節の利点・不利点

結論から言ってしまうと、大規模修繕に適した季節は「春と秋」です。しかし、二つの季節が適している反面、施工会社にとっては繁忙期であり、価格高騰、発注の殺到が毎年起こる季節でもあるため、必ずしも適した季節に大規模修繕が行えるわけではありません。盲目的に「春か秋に施工依頼を出そう」と修繕計画を組んでしまうのではなく、なぜこれらの季節が適しているのか、他の季節のデメリットは何なのか、を把握しておくことで、修繕内容に適した季節でスムーズに計画が組めるようにしておくべきです。

そのため、ここからは春夏秋冬それぞれの季節に大規模修繕を行う際のメリット・デメリットを解説していきます。

春の大規模修繕

春は、「春工事」という言葉ができているほど気候が温暖で大規模修繕工事のベストシーズンと言われています。真夏や真冬といった気象条件が過酷な時期とは異なり温暖な気候で、下地補修や塗装といった湿式工事も行いやすいため、施工品質を確保しやすいという特徴があります。

下地補修工事や塗装工事などの水を使う工事は「湿式工法」といい、施工後に乾燥させる養生期間が必要です。春はさほど湿度が高くないことから大規模修繕工事に向いている季節といえます。

デメリットは大規模修繕工事の施工時期として人気が高いこと。そのため、施工会社のスケジュールが押さえづらかったり、費用が割高となったりする場合があるので注意が必要です。もし春の大規模修繕工事を希望する場合は早めに施工会社に相談しましょう。

夏の大規模修繕

また、工事期間中はベランダの網戸を取り外して窓の開閉ができない、エアコンを利用できないという期間があります。夏の暑さの中、窓を閉め切りエアコンをつけずに過ごすのは住民にとっては厳しいでしょう。お盆や夏休みの留守宅が増える時期を狙って足場をつたって侵入するリスクが高まるので防犯上の注意が必要です。

メリットとしては大規模修繕工事の依頼が多くない分、工事費用の交渉ができる可能性があることです。初期の工事費が値引きされていることも多く、場合によっては相場よりも安い価格で大規模修繕を行える可能性もあります。工事コストを重視したい方は夏の大規模修繕工事のデメリットを理解した上でこの時期を選択するのもひとつです。

秋の大規模修繕

秋は春と同様に大規模修繕工事に適しているといわれています。

穏やかな気候は塗料や施工の品質の確保に適している他住居者の負担も軽減されます。お盆や年末などの長期休暇を避けることで、防犯面でも安全性が高いこともメリットの一つといえるでしょう。

デメリットはこちらも春と同様に依頼が多い時期であるがゆえに費用が高くなる場合があること。また、時期の遅い台風や秋の長雨など天候によって工期延長となるケースがあることも理解しておきましょう。

冬の大規模修繕

冬の大規模修繕工事はあまりおすすめとはいえません。

冬の低い気温では材料が凍ってしまい、本来塗料が持っている品質が発揮できない可能性があります。では塗料を適切な温度で管理していれば問題はないかというと、少し違います。湿式工法の材料は施工後の硬化・養生が施工後の品質を左右します。多くの塗料は気温が5度以下になると硬化が鈍くなるため、低温下では硬化不良による施工品質低下のリスクがあります。さらに年末年始休暇で留守宅が増えることによる防犯リスクも考慮が必要な点です。最近では、塗料の質の向上、添加剤の使用、工法の工夫によって工事を進めることはできますが、それでも懸念が完全に解消されるわけではなく、費用も余計にかかってしまう恐れがあります。また、雪が積もってしまうと工事がストップしてしまうことも考えておかなければいけません。

メリットは時期的に工事の依頼が多くないため、条件次第では工事費用コストを抑えたり、技術の高い職人を確保しやすいことでしょう。低温下の硬化については添加剤を使用することで硬化を促進することが可能です。その一方で材料を追加することで費用がプラスとなることも理解しておきましょう。気温・気候は地域によっても異なりますので、まずは施工会社に話を聞いてみることをおすすめします。

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