東京都における大規模修繕の補助金・助成金制度

東京都の大規模修繕補助金

大規模修繕は、国や自治体から補助金や助成金を受けられる場合があります。

助成金や補助金は、一定の条件を満たすことで支給されるお金です。助成金は、基本的に応募条件を満たして申請すれば受け取れるのに対し、補助金は予め枠数が決まっているため、申請しても受け取れない可能性があります。共通する特徴としては、返済義務がないことが多い点が挙げられます。自分のマンションが、条件に当てはまっている場合は積極的に申請を検討したいところです。

目次

分譲マンション計画修繕調査支援制度

マンションの大規模修繕を行う場合、まず修繕計画を立てるための調査をします。分譲マンション計画修繕調査支援制度とはその調査費の一部を助成する補助金です。都内では墨田区や江東区、台東区など多くの区で制度化されています。それぞれに要件も異なりますが、20~80万円程度が助成されます。

主な例として墨田区の分譲マンション計画修繕調査支援制度を見てみましょう。

申請する権利者の条件は建築後5年以上経過した区内分譲マンションの管理組合であることで、資格要件は分譲マンションの適正管理に関する条例で規定する管理状況等に関する届出書が提出されていることや、管理組合が適正に運営されていること、過去3年以内に、本制度による補助を受けていないことなどがあげられています。対象となる調査はマンションの共用部分について実施する指定の調査であり、補助金額は調査に要した費用(住宅以外の用途部分に要した費用及び集会等への対応に係る費用等は除く)の3分の1以内で、1件50万円を限度とされています。

他の地区に関しても各自治体のホームページで詳細が確認できるので、ご確認ください。

アスベスト対策費助成制度

吹付材のアスベスト含有量率調査、アスベスト含有吹付材の除去などの工事を行う際の費用の一部を助成する補助金です。足立区、台東区、江戸川区、千代田区、品川区、新宿区、港区、横浜市、相模原市など東京・神奈川の多くの区・市で制度化されています。調査の場合は10〜100万円程度、工事の場合は30~1000万円を上限として助成されます。

アスベスト対策費助成制度に関しての各自治体の補助要件や補助金額については東京都都市整備局のホームページにて一覧でまとめられたものがあります。

千代田区を例にして見ると、補助要件は民間の建築物 である事飲みになっており、 補助額は含有調査区が契約したアスベスト診断士(調査員)が調査するため原則無料です。

マンション耐震診断助成制度

地震による建物の倒壊などの被害を未然に防ぐうえで、建物の耐震診断や耐震性を向上させる補強工事を行う際に費用の一部を助成する補助金です。これは東京都全域、横浜市など神奈川県内複数の市で制度化されています。

例として渋谷区のマンション耐震診断助成制度をみてみましょう。基本要件としては、耐震診断費用助成の場合は建築基準法に定める確認通知書が発行されていることとされており、補助金額は、耐震診断費用の場合耐震診断に要する費用の2/3以内の額で限度額が 3,000,000円、補強設計費用の場合は補強設計に要する費用の2/3以内の額で、限度額は同じ。耐震改修工事・ 除却工事費用に関しっては耐震改修に要する費用(除却を行う場合にあっては耐震改 修に要する費用相当分)の2/3以内の額で、限度額が20,000,000円となっております。

バリアフリー整備助成制度

バリアフリー整備に関しては、お店や医療機関、銭湯などに対する助成は多いですが、マンションを対象としたバリアフリー助成制度は、品川区、台東区、横浜市で利用可能です。品川区では20~100万円、台東区では50万円、横浜市では30万円を上限として利用可能となります。 

東京都のバリアフリー関連の補助金に関して、各自治体・地域の制度が一覧になっているこちらのページをご覧ください。

壁面緑化助成

文字通り、屋上や壁面を緑化する際に助成される補助金です。渋谷区・中野区・江戸川区以外の20区、横浜市や川崎市、相模原市など、東京・神奈川の複数の区・市で制度化されています。助成額は杉並区や新宿区などの場合、1平方メートルあたり5,000~3万円程度ですが、横浜市は3平方メートル以上10平方メートル未満で上限100万円です。

ここでは杉並区を例に助成対象をご紹介します。

対象者は区内に建築物を所有又は借りている方のうち、屋上・壁面緑化を行う方であり、また五つの除外項目があります。助成基準単価としては、 個人の申請の場合1平方メートルあたり25,000円で、法人の場合1平方メートルあたり20,000円となっております。

まとめ

本記事では、大規模修繕工事に際して活用できる補助金・助成金制度について解説をしました。自治体ごとに実施している内容は異なりますので、まずはお住まいの地域の担当課にご連絡をすることをおすすめします。

また、申請にあたっては膨大な資料を用意する必要があります。専門知識を要する場合もありますので、大規模修繕コンサルタント等の専門家のアドバイスを元に進めていくことも視野に入れておくべきです。

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